■脳波=ニューロフィードバック

◎脳の状態を脳波でみる

簡易型脳波計=ニューロフィードバック装置である、「アルファテックシリーズ」は、MWT協会長である脳波研究の第一人者の志賀一雅(工学博士)が開発を進め、多くの研究機関、施設、学校等、個人の方にご使用されてきた装置(脳波測定機)です。安価ながら高スペックな構造となっており、かつ簡易に脳波を計測でき、メンタルトレーニングの有効な指標として、またさまざまなシーンにおいて意識がどのように作用するかなどの観察にご活用いただけると自負しております。

◎脳波の種類

アルファ波はどこで発生する?

脳波が発生するメカニズムは、まだ分かっていない。2つの学説があり、それぞれ決定的な検証が出来ていない。

1.脳幹の視床下部にある視交叉上核が一定のリズムを刻んでいるという観察があり、これが体内時計となって体のリズミカルな活動を生み出している、アルファ波の源もここにあるという考え方。

2.たくさんの神経回路が独立に活動しているものの、ある神経回路が優勢な働きを始めると、関連する他の神経回路も引き込まれて共鳴し、その共鳴の周期がアルファ波の周波数帯域にあるという考え方。

◎アルファ波はリラックスの脳波?

臨床脳波の専門書には「目を閉じて心静かにしていると、後頭葉からアルファ波が強く計測される。目を開けたり考え事をしたりすると、アルファ波は消失する。これをアルファブロックという。ゆえに、アルファ波はリラックスの脳波と考えられる」とある。この記述が一般に知れ渡っていると思われる。

しかし、アルファ波は後頭葉以外からも計測されるし、緊張していても計測される。したがって、アルファ波はリラックスを表す指標にはならない。

体の緊張は、筋肉の緊張度合いの指標である筋電図(EMG:Electro-Myo-Gram)で評価する。心の緊張も、脳波で判定すると間違える可能性があるため、手の平や足の裏などの精神性発汗部位での電気的な皮膚反射(ESR:Electro-Skin-ResponseやGSR:Galvanic-Skin-Reflectance)を観察すべき。

アルファ波は集中・共鳴の脳波であり、体が緊張していたり心が緊張していたりしても観察される。したがって、アルファ波が出ているからリラックス出来ているとは言えない。心も体もリラックスして、それでいてアルファ波が出るような状態こそ、実力を最大限に発揮できる脳のコンディションだと考えられる。

◎アルファ波強化の方法

心身のリラクセーションと意識集中が基礎

・趣味に没頭

 音楽、絵画、スポーツなどに熱中

・意識集中練習

★東洋:ヨガ、禅などの瞑想法

練習方法が合理的でないため、習得に時間は掛かるが応用範囲が広い。

★ヨーロッパ:自律訓練法

本来は病気治療法だが、健康な人には能力開発として利用できる。

★アメリカ:バイオフィードバック法

エレクトロニクス装置を使い、体の生理的な変化を電気的に捉えてリラックスした意識集中状態に誘導する。習得は早いが応用範囲が狭い。

★日本:メンタルウェルネストレーニング=志賀式メンタルトレーニング→自己恒常性開発プログラム(SRP:Self Regulation Program)