2020年2月

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ゾーン、フローと呼ばれる状態があります。簡単に言うと、時間を忘れて行為に没頭している“超集中状態”で、能力を最大限に発揮できる状態のことですが、この時の脳波には諸説があり、評価が定まっていません。“その瞬間”の脳波を計測するのが難しいという、そもそもの問題もありますが、少ない諸説の共通点を挙げてみると、どうやら、深いリラックスと高い覚醒を表す脳波が同時に強く計測される状態のようです。

個人的な見解としては、深いリラックスだけ、高い覚醒だけという単一の優勢状態は日常的にも起こり得るため、ゾーン、フローには、それらが併存した、ある種の変性意識状態が必要だと思っています。

高い覚醒も必要ということは、交感神経が強く働くための刺激=ストレスも必要という考え方ですが、そのまま緊張状態に終始するだけでは、能力発揮を阻害する要因にしかなりません。重要なことは、ストレス(覚醒)からリラックスへの切り替えを、どれだけ早く確実に行えるかであり、そのためには日々の準備が必要、つまりメンタルトレーニングの実践が必要ということです。 メンタルウェルネストレーニングでは、トレーニングを実践するだけでは分かりにくい具体的な脳の状態を、脳波を指標としてリアルタイムに観察します。また、前頭葉(Fp1、Fp2)から脳波を取得するため、主に意識活動に関わる脳の働きを観察するわけですが、人間にとって、能力発揮に対する最大の障壁は“意識”です。その“意識”との折り合い方を学ぶことは、メンタルトレーニングにおける最大の課題でもあります。

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