明けましておめでとうございます。

2021年が始まり気分一新…となっているのかどうか。これを書いている今は、まだ2020年末ですが、とにかく、皆様が無事に新年を迎えられていることを祈るばかりです。

2020年は色々な意味で“変わった”年でしたが、考えてみれば、かつての人類はステイホーム中心の、いわゆる村社会で生きていて、機械化が始まる産業革命の頃から、労働集約的な働き方、つまり、都市型の生活に変わっていきました。

産業革命以前の、農業を中心とした社会では、自然と共に生きていくことが自明であり、自然とは人間がコントロールしきれない存在として認識されていました。よって、最善の努力はすれども、最終的な結果に対しては、起こったことを受け入れるという心持ち=メンタリティーが形成されやすくなっていたであろうと推測されます。

一方、産業革命以後の、工業を中心とした社会では、生産活動の中心が機械に移りました。機械とは人工物であり、人間がコントロールしきれる道具です。よって、時間をかければかけるほど生産量を増やせることから、「24時間戦えますか」的な気合と根性を奨励する社会背景が、ここに誕生します。「働き方改革」な現代では、さすがにその発想は受け入れられないでしょうけど。

そう考えると、農業社会における目標とは「努力目標」であり、達成できなくとも「(ある程度は)仕方がない」と受け入れて、次に向かうしかないものでした。一方、工業社会における目標とは「達成目標」であり、達成できて当たり前、できなければ「ダメ」というような評価が下されやすくなります。

新しい年を迎え、今年の目標を決めたという方もいらっしゃるかも知れません。もちろん、それを達成するのも大切なことではありますが、たとえ計画通りにいかなくとも、あるいは、何かのきっかけで目標が180度変わることがあろうとも、それはそれで受け入れて、あるがままに、いかなる時も心穏やかに過ごす。それも、人生の味わい方の一つと捉えてみてはいかがでしょうか。 2021年が皆様にとって幸多き一年でありますように。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。