食事、運動、睡眠と言われるように、身体を動かすことが健康に良いという話は、誰でも耳にしたことがあると思います。それが本当かどうか、1953年に報告された、モーリス博士によるロンドンの2階建てバスの運転手と車掌を比較した研究を紹介しましょう。
運転手は、運転をすることが第一の仕事であり、必然的に着席している時間が長くなります。一方、車掌は、(当時は)車内で切符を売る仕事があったため、1階と2階を行き来することが多くなります。その違いが心臓発作と心臓病による死亡率に、どう影響するかを調べたのが、この研究ですが、結果は…
運転手の方が、死亡率が高く(心臓発作は約1.4倍/心臓病は約2.2倍)、特に55歳以降で、その違いが顕著になりました。ちなみに、35歳~64歳を対象として、10歳ごとにグループ分けをした結果だそうです。
その違いの大きな原因は、運転手の運動不足にあり、よって、運動不足では心臓の病気(特に肥満から循環器系の疾患)になりやすい。しかも、年齢が上がるほど、その影響は大きくなると、ひとまず結論づけられています。とはいえ、この場合の主な運動とは階段の上り下りのことですから(それなりに疲れますけど)、普段の生活の中でマメに身体を動かすのは大事だよね、くらいの話なのだと思います。「動」く生き「物」の宿命として。
ただ、何でもそうなのでしょうけど、嫌々、我慢して、無理に運動しているようでは、かえってストレスから不健康になることもありそうです。やはり、何をするにしても基本は「期待感」と「満足感」であり、好きなことを気持ちよくやるのに勝る健康法はないと思います。そして、「期待感」と「満足感」の感じやすさはトレーニングで鍛えられる脳力(脳の働き)ですから、きちんと訓練すれば、誰でも、その感度を高めることが出来ます。
もし、楽しいことが見つからないのだとすれば、それは、本当に楽しいことがないのではなく、楽しいと感じられる自分がいないだけかも知れません。ちなみに、ワクワク、夢中になっている時の脳波ではα波が増えることも確認済みです。 「期待感」と「満足感」の感度を高めるためにも、メンタルウェルネストレーニングを実践して、心身ともに健康な毎日を過ごせるようになりましょう。