東京オリンピック2020・パラリンピック2020が開催されたのは何年?なんて、未来の受験生にとっては典型的なひっかけ問題になりそうだな…とか思っていた2021年も終わり、新しい年が始まりました。
今年の初回は、コミュニケーションに関連しそうな3つの実験を紹介します。
1つ目は、あるビデオを見てもらう実験。参加者は、①音声+映像、②音声のみ(ビデオと言いながら…)、③映像のみの中からどれか1つを選び、ビデオに登場する人物の感情を当てようとします。
2つ目は、参加者同士で好きなテレビ番組や映画、食べ物や飲み物などについて話をするのですが、それを明るい部屋で行う場合(相手の姿が見える)と、暗い部屋で行う場合(相手の姿が見えない)とで比較して、どちらがより正確に話し相手の感情を当てられるかを確かめた実験。先ほどの①~③に当てはめると、①と②に該当する条件で会話をしたことになります。
3つ目は、1つ目の実験の音声を(人間の声ではなく)コンピューターの音声に変えて再現した実験。人間でもコンピューターでも話す内容は同じなので、感情を読み取るには、言葉が重要なのか、伝え方が重要なのかを確かめようとしたわけです。
それぞれの実験結果を確認すると、1つ目の実験では、②音声のみ(映像なし)の正解率が最も高く、2つ目の実験では、暗い部屋で会話をした(相手の姿が見えない)方が正確に読み取れて、3つ目の実験では、②コンピューターの音声のみの正解率が最も低かった(①音声+映像、③映像のみの方が、正解率が高かった)のだそうです。特に1つ目と3つ目の実験を比較すると、②人間の音声のみと②コンピューターの音声のみの差が最も大きかったとのこと。
以上の結果から、結論としては、相手の感情を読み取るには「声に耳を傾ける」のが効果的。感情を伝えるには「肉声での伝え方」が大事ということになりますが、この実験に使われていた映像と音声の設定は、簡単に再現できるものも多いので、興味があれば、ぜひ試してみてください。