ここ最近は、(株)脳力開発研究所の創業者で、現相談役の志賀一雅の書籍を元ネタにしたであろう動画を取り上げてきましたが、今月は少し変わり種を紹介します。
チャンネル名は「医療介護知識チャンネル」で、登録者数は約510人。動画のタイトルは「7.8Hz呼吸法、地球の周波数と共鳴する奇跡のテクニック」で、再生回数は約1,440回です(数字はすべて2025年11月末時点)。
おそらく、「神さまの周波数とシンクロする方法」(ビオ・マガジン)と「奇跡の[地球共鳴波動7.8Hz]のすべて」(ヒカルランド)あたりの書籍(もしくは、それらの書籍をもとにした動画など)を参考にしたと思われる内容ですが、動画の中では「資料」という表現を使うだけで、具体的に何を参考にしているのかは分かりません。
そして、気が付いた人もいるかも知れませんが、これまでに紹介してきた動画と比べると、登録者数も再生回数も圧倒的に少ないですよね。それにも関わらず、なぜこの動画を取り上げたのかというと、実はこの動画が、Google「NotebookLM」による対話形式の解説をもとに作られているからです。
「NotebookLM」に「資料」を読み込ませ、男女の対話形式で内容を要約して欲しいとか、そういう指示のもとに原稿を作成したのだろうと思います。それを音声化しているわけですが、それにしても、この動画、目を閉じて聞いているとNHKの番組にしか聞こえません(少し古いかも)。声や話し方の特徴から、特定の人物の顔が浮かんでくるようで、もうフェイクニュースとか余裕で作れそうです。
最近では、長めの資料や動画を要約してもらうとか、ミーティングのまとめ資料を作成してもらうとか、時短やタイパにAIの恩恵を受ける場面が多くなりました。今回の動画でも、人間が犯しがちな自分勝手な解釈もなく、ところどころに一般論的な知識を加えて理解の補助線を引くなど、分かりやすくまとめられています。
よく言われることですが、効率を求められる作業は、今後ますますAIが担うようになります。その結果、(日本の特徴である)人件費の安さに依存して存続してきた仕事をAIに任せる企業が増えてくるでしょう。一方で、効率とは無縁のこと、例えば、好きで心から夢中になれることや、時間をかけてでもやりたいことの重要性が増すのは間違いないはずですので、自分の時間の使い方について、今のうちからきちんと考えておくことが必要であろうと思います。

