2026年1月

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ガットフィーリングと書くより、gut feelingと書いた方が分かりやすいかも知れません。「直感(勘、第六感、虫の知らせetc.)」という意味の英語ですが、gutは消化管や胃腸に対応する単語ですから、その辺りから湧き上がる身体感覚のことをgut feelingと呼び、「直感」とは、そういう感覚(内受容感覚)をともなうものであることを表しているようです。

そもそも身体は、内臓の状態、皮膚の感覚、筋骨格の空間的な位置など、無意識レベルの膨大な情報を脳に伝えています。それらを元に「直感」が発揮されると考えれば、「身体の声に耳を傾ける」ことの重要性が分かるのではないでしょうか。いつも申し上げていることですが、進化の歴史を振り返れば、身体が先で、その後に脳が形成されたわけですし。

有名なところでは、「考えるな!感じろ!」も「直感」の重要性を訴えていると思います。ただし、あの言葉は本来、これ以上ないくらい考えた人にのみ当てはまる言葉で、「果報は寝て待て」が表す、「できる限りの努力をした後は、焦らずに良い結果が出るのを待つべき」と同様、まずは「できる限りの努力」が欠かせません。「人事を尽くして天命を待つ」も同じことですね。なお、「果報」は、もともと因果応報のことですから、必ずしも良い結果だけを表しているわけではないことを申し添えておきます。

そして、2025年のノーベル化学賞を受賞された北川進・京都大学特別教授も、その受賞会見で同様のことを、子供たちに伝えたい言葉としてお話しされていました。

「子供たちには難しいかもしれないけど、ルイ・パスツール(※フランスの細菌学者、細菌学の父と呼ばれる)が、『幸運は準備された心にのみ宿る』という名言を残しています。私の今の流れを見た時に、よい先生、友達、学会での付き合いに恵まれた。それは準備された心なんです。ある日突然宝くじを引いて当たったわけじゃない。いろんな経験を大切にしていくと、それが将来花開く、そう言いたいですね。」

説明するまでもなく、「準備された心」には、ご自身の絶え間ない努力も含まれているはずです。やはり、「直感」も「幸運」も、「寝て待つ」だけでは訪れず、それ相応の「努力」が必要ということでしょう。

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