新年度を迎えて、皆様いかがお過ごしでしょうか?コロナの影響は変わらず、イベントの自粛も続いていますが、それでも、昨年ほどの警戒感はないように思います。
さて、2020年の日本国内における死者数が、前年と比べて約9千人減少したという報道がありました。日本が世界トップクラスの高齢化社会であることを考えると、これは驚くべき数字で、実際のところ、減少したのは11年振りだそうです。なお、近年の死者数は、年平均2万人程度で増加していました。
今のところは途中経過しか分かりませんが、肺炎(新型コロナなどを除く)やインフルエンザを含めた呼吸器系疾患が最大の減少幅を示していたという事実は、新型コロナの感染対策として日常化した、手洗い、うがい、手指消毒などの励行が効果を発揮した結果かも知れません。なんか、当たり前の行動が、当たり前に重要であることを、あらためて教えられただけという気もしますが。
その一方、自殺者数が11年ぶりに増加しました。特に、小中高生の自殺が過去最多で、原因・動機としては、うつ病などの精神疾患、進路の悩み、学業不振が多いとされています。今やオンライン授業も当たり前になり、その環境にも、だいぶ慣れてきたところだと思いますが、それでも、学業に支障が出た学生や、孤独感などを味わった学生が多数いたということでしょう。また、これは一部の報道に止まっていますが、DV(虐待)の問題も大きいのではないかという指摘があります(女性の自殺者数の増加にも影響を与えた可能性が考えられます)。
行動の自由を奪われてストレスを抱える人が増え、そういう人達が閉鎖空間で時間を共有すれば、極端な行為に対する抑止力が働きにくくなります。AIが普及すると、仕事をせずとも収入を得られるようになり、自分の趣味や家族との時間に、もっと多くの時間を使える…というパラダイスのような未来が語られることもありますが、こういう現実を突き付けられると、そんな単純な話ではないようにも思います(仕事をしなくても良くなったとして、その時間を何に使いますか?それは、数十年続けられることですか?)。
昨年よりは幾分緩和されるのかも知れませんが、コロナの影響は今後も年単位で続く可能性があるため、子供に対するケアはもちろん、大人に対するケアも、今一度、重要な課題として捉える必要がありそうです。