先日まで開催されていた平昌オリンピックでは、日本選手が大活躍したようですね。そして、3/9(金)からは、平昌パラリンピックが開催されます。再び、日本選手の活躍を期待しましょう。
前回の続きで、テーマは「スポーツとメンタルトレーニング」。今回は日本編。
日本では、1960年のローマ五輪の頃から、「あがり」の防止を中心としたメンタルトレーニング研究が始まっていたようですが、残念ながら、指導現場の理解や協力が、なかなか得られなかったとのこと。その理由は、日本の伝統として(?)精神の強化はハードトレーニングの過程で身につくという、いわゆる根性論が支配的だったからと言われています。
その根性論を乗り越えるために開発されたのが、前回紹介した旧ソ連版のメンタルトレーニングだったわけですが...。1964年の東京五輪での「東洋の魔女」の登場(スパルタトレーニングの代名詞的存在)や、スポコンアニメや漫画の普及などもあって、耐えて強くなることの美学が先行してしまいましたからねぇ...。
今日でも、応援する側の「期待の押しつけ」で、ケガを抱えた選手に無理をさせてしまうような事例はありますから、メンタリティー的には、あまり変わっていないのかも知れません(もちろん根性も大事ですけど)。
最後に、近年のメンタルトレーニングの動向について触れておきますと、根性論を越えた先にポジティブ・シンキングが生まれ、でも、それは認知の変容、簡単に言えば「良い気分になるという意味での気持ちの切り替え」には有効だが、モチベーションやパフォーマンスの向上には必ずしも繋がらないことが分かってきました。
そこで、いかにモチベーション(内発的)を高め、それを持続させるか、そのことによってパフォーマンス・アップを実現するかという方向に研究が進んでいるようです。