2019年12月

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師走に入り、忙しくされている方も多いと思いますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は「ビジョントレーニング」をテーマに話をしようと思います。

というわけで早速ですが、突然の暗闇が訪れた時、皆様は、どのような行動を取るでしょうか。そこが慣れた場所であれば、得られる触覚情報から早い段階で空間イメージを構築できると思いますが、慣れない場所であれば、ある程度の時間をかけて周囲の物に触れても、なかなか明確な空間イメージを構築できないと思います。

もちろん、触覚情報の解像度という個人差も影響するとは思いますが、いずれにしても、探索行動をもとに空間イメージを構築しながら、空間における自分の位置を把握しようとするはずです。

一方、明るい光の下、目を開けてモノを見ている時は、視覚情報を中心に、空間イメージ及びそれとの関係を理解していますが、当たり前に思っている、その「見え方」にも、実は一人ひとり小さな、場合によっては大きな違いがあります。

他人の視覚体験を共有することが出来ないため、どうしても見落としてしまいがちですが、自分以外の他人が、どういう視覚認識に基づいて世界を把握しているのか、少なくとも今は、それを完全版として知り得る手段がありません。

人間の感覚機能は、身体の経験=体験を通じて、学び、身に付け、向上させるものです。したがって、体験が豊富な人ほど、自分自身とも、自分を取り巻く世界とも、上手に折り合いを付けやすい一方、体験が乏しい人ほど、自分とも世界とも、うまく折り合いを付けられず、かといって、それを明確な言葉にすることも難しく、漠とした不全感を抱えながら日々を過ごす可能性が高くなります。

人間の基盤は身体であり、その先に脳があります。したがって、豊富な身体経験こそ、最大限に脳力を発揮するための不可欠な要素であり、それをサポートする実践的な方法がビジョントレーニングというわけです。 来る2020年、オリパライヤーでもある節目の年に、さらに多くの皆様に満足して頂けるコンテンツを提供できるよう精進して参ります。来年もよろしくお願い致します。

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