ビジョントレーニング

2024年2月

ご覧になった方も多いと思いますが(思いたいですが)、川越英隆さんとの対談動画を、MWT協会のYouTubeチャンネルにアップしました(全10回)。

川越さんは、プロ野球のオリックスバッファローズなどで投手として活躍された方で、引退後は、千葉ロッテマリーンズで投手コーチを務めていました。2022年の退団後、2023年~株式会社tsuzuki BASEさんが運営する野球スクール「Glowing Academy」で指導をしながら、「ウェルネストレーニング教室・横浜鶴見校」の開校に向けて準備を進めていたところ、2024年~福岡ソフトバンクホークスの4軍ピッチングコーチへの就任が決まりました(教室の開校は延期)。

2024年の福岡ソフトバンクホークスと言えば、協会の相談役・志賀一雅がメンタルトレーニングを担当してきた小久保裕紀さんが1軍の監督に就任され、更に、協会の顧問である倉野信次さんが投手コーチ兼ヘッドコーディネーターに就任されるなど、これはもう、会社としても応援するしかない状況です。

対談を収録したのは、コーチ就任が決まる前の2023年7月23日。横浜にある「Glowing Academy」の施設を訪問しましたが、私も中学・高校と野球部に所属していたため、自分の学生時代を思い出しながら、練習環境の変化を実感した次第です(詳しくは動画にて)。

また、対談の中でも話したことですが、現在は、あらゆる分野においてプロとアマチュアの情報格差がほぼなく、環境面でも情報面でも、すべての人に十分すぎるものが与えられている状況です。そのような中で独自性を発揮するのは難しいことだと思いますが、それに対する一つの回答として、複数分野の掛け合わせが考えられます。

この場合の分野は、ある程度レアなものが条件ですが、例えば、500人に1人(0.2%:東京都の小学校に1人くらい)だとレア度が高くなくても、そのような分野を2つ掛け合わせると2,500人に1人(0.04%=0.2%×0.2%)、3つ掛け合わせると12,500人に1人(0.008%=0.2%×0.2%×0.2%)になります。もちろん、分野そのものがレアでなくても、自分がレアになる=複数の分野で上位500人に入ることでも同じ確率を達成できます。

いずれにしても、ちょっと手を出しては止めるようなことを繰り返していると、何も身に付かない(レアになれない)ばかりか、有用な経験も得にくいでしょうから、まずは、じっくりと取り組める何かを見つけるのがよろしいのではないかという話でした。

2023年6月

脳の働きを単純化すると、信号の(入力→処理→出力)。したがって、頭の回転が速いとは、「入力→出力」までの時間が短いこと、記憶力が良いとは、正確に「(入力→)出力」できることとも言えるでしょう。

そうすると、「入力→出力」までを短時間で繰り返すような作業は、必然的に頭の回転を速め、記憶力(出力≒思い出す力)を高めるトレーニングにもなるので、ただ見たり聞いたりするだけではなく、行動(出力)に繋げるところまでが重要というわけです(それが思い出すということです)。

ですから、動画や音声を倍速視聴することは、一種のトレーニング的な意味合いを持つため、昔からよく使われる手法でもあります。個人的には、タイパ的なことにあまり拘りたくもないので、必要以上に採用したい視聴方法ではないですけど。

さて、ここからは(珍しく)商品宣伝です。

メテミミ感覚統合トレーニングセットという教材があります。

目(メ)手(テ)耳(ミミ)が名前の由来ですが、高速で再生される数字を聞きながら、指定された形式に合わせて解答用紙に数字を記入する。言い換えると、音声情報を聴き取り、視覚情報に変換して、身体(手)を通じて素早く表現する(書く)。たったこれだけの内容ですが、情報処理能力や記憶力を高めることに役立ちます。

負荷の種類(再生される音の速度や桁数など)は、実践する人の目的やレベルに合わせて変えるわけですが、ある一定の時間、集中力を持続できるかどうかもカギになります。

「簡単そうじゃん」と思われたかも知れませんが、聞こえてきた数字を書くだけと考えると、確かに何も難しいことはなさそうですよね。でも実際には、思いのほか苦労する人が多い取り組みで、記憶(入力)まではしたつもりが、いざ書こうとすると分からなくなるとか、これぞ、出力まで繋げられない典型例です。

人によりけりとはいえ、楽しいと感じる人も多い教材ですし、能力を高めたい人はもちろん、能力を維持したい人も実践する価値があると思います。よろしければトレーニングの一環として取り入れてください。

2022年7月

メンタルウェルネストレーニング(MWT)協会では、今年から沖縄の定期講座を開始しました。3月のビジョントレーニング2級、6月のビジョントレーニング1級が終了して、9月には再びビジョン2級を開催する予定です。

さて、私の生まれ育ちが東京だからでしょうか、沖縄(のような自然環境が豊かな地域)では、屋外で遊ぶ子供が多いのだろうと(だいぶ前まで)勝手に思っていたのですが、必ずしもそうとは言えないようですね。

そもそも暑くて外に出たくない(出られない)という理由もあるのかも知れませんが、沖縄に行くといつも思うのは、外を歩いている人が少ないなぁということ。移動手段=電車中心である東京の場合、駅間を移動したり乗り継ぎをしたりするのに、どうしてもある程度は歩く必要があります(“ある程度”ですから、十分かどうかとは別問題ですが)。

ところが、移動手段は自動車がメイン、徒歩数分のコンビニに行くにも車を使うとなると、歩くこと自体が少なくなりますよね…というのは、ほんの一例ですが、動く生き物である“ヒト”から動く機会が失われれば、単なる運動不足だけでなく、そこから派生する問題も色々と増えて来そうな気がします。

ヒトの成長には、大まかに、遺伝50%、経験50%が関与するとも言われていて、後者の「経験」は「環境」と言い換えることも出来ますが、その「環境」には、いわゆる自然環境だけでなく、生育環境や家庭環境のようなものも含まれます。

動物としてのヒトの発育・成長には、動きによる学び≒体験が不可欠で、これから社会が、どのように変化して行くのか分かりませんが、たとえ大きな変化が起こるとしても、ヒトというシステムに必須な体験まで、大きく変わることは考えにくいでしょう。

「環境」が変わり、「動き」の機会が失われたなら、そこに対して「遊び」からのアプローチを試みる。これが、MWT協会が提供するビジョントレーニングでもあります。

2019年12月

師走に入り、忙しくされている方も多いと思いますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は「ビジョントレーニング」をテーマに話をしようと思います。

というわけで早速ですが、突然の暗闇が訪れた時、皆様は、どのような行動を取るでしょうか。そこが慣れた場所であれば、得られる触覚情報から早い段階で空間イメージを構築できると思いますが、慣れない場所であれば、ある程度の時間をかけて周囲の物に触れても、なかなか明確な空間イメージを構築できないと思います。

もちろん、触覚情報の解像度という個人差も影響するとは思いますが、いずれにしても、探索行動をもとに空間イメージを構築しながら、空間における自分の位置を把握しようとするはずです。

一方、明るい光の下、目を開けてモノを見ている時は、視覚情報を中心に、空間イメージ及びそれとの関係を理解していますが、当たり前に思っている、その「見え方」にも、実は一人ひとり小さな、場合によっては大きな違いがあります。

他人の視覚体験を共有することが出来ないため、どうしても見落としてしまいがちですが、自分以外の他人が、どういう視覚認識に基づいて世界を把握しているのか、少なくとも今は、それを完全版として知り得る手段がありません。

人間の感覚機能は、身体の経験=体験を通じて、学び、身に付け、向上させるものです。したがって、体験が豊富な人ほど、自分自身とも、自分を取り巻く世界とも、上手に折り合いを付けやすい一方、体験が乏しい人ほど、自分とも世界とも、うまく折り合いを付けられず、かといって、それを明確な言葉にすることも難しく、漠とした不全感を抱えながら日々を過ごす可能性が高くなります。

人間の基盤は身体であり、その先に脳があります。したがって、豊富な身体経験こそ、最大限に脳力を発揮するための不可欠な要素であり、それをサポートする実践的な方法がビジョントレーニングというわけです。 来る2020年、オリパライヤーでもある節目の年に、さらに多くの皆様に満足して頂けるコンテンツを提供できるよう精進して参ります。来年もよろしくお願い致します。

2019年3月

MWT協会が提供する脳力トレーニングでは、脳力(能力)を高めることと併せて、本来の脳力(能力)をきちんと発揮できるようにすることも重視しています。

ここでの脳力とは、脳の働きのこと。そして、トレーニングとしては、メンタルトレーニング(メンタルウェルネストレーニング)とビジョントレーニングを中心にお伝えしていますが、メンタルにしてもビジョンにしても、煎じ詰めれば脳の働きのことで、当然、お互いに関連し合っています。そのため、メンタルに課題があればビジョンにも影響が出やすく、ビジョンに課題があればメンタルにも影響が出やすくなるというわけです。

もちろん、自分をモニタリングするという意味では、脳波(ニューロフィードバック)も重要でしょう。セルフコントロールの基本はセルフモニタリングにありますし、メンタルウェルネストレーニング自体、元々は脳波の研究から生まれたトレーニングですので。

「身心両面からのアプローチで本来の脳力に磨きをかける」。強い忍耐力を要するようなトレーニングでは、長続きしにくいと感じる方も多いでしょうから、どのトレーニングも楽しみながら取り組めるように工夫しています。興味がある方は、ぜひご参加ください。