2026年5月

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

以前、こんな相談を受けたことがあります。

街中の移動手段を大きく分けると、徒歩、自転車、自動車の3種類しかない。そこで、各々の間を埋める移動手段の開発実験が進められている。それらが社会実装されれば、移動の利便性が高まり、人々の交流が生まれ、街が活性化される。

その移動手段をマイクロモビリティと呼ぶが、単なる移動利用にとどまらず、人々の感性を刺激するモビリティにしたい。そこで、どのような仕様(座席、速度など)が望ましいのかを脳波で検証することはできないか?という感じの内容でした。

残念ながら、脳波を計測するには難しい課題も多く、その話が進展することはなかったわけですが、参加企業を見たとき、かなり大きなプロジェクトなのだろうという印象を受けた記憶があります。

ちなみに、こういう類の問い合わせは、わりと頻繁にあるもので、アンケートのような質問紙による調査だと、望ましいであろう答えを意識した回答になるというのは、よく知られた事実ですので、それと比べれば、より有益な結果が得られるかなと思います。

さて、なぜこのような話をしたのかというと、今年の4月から、自転車に対する規制が強化されたことに端を発します。

当たり前のこととして、危険運転などの行為は厳しく処罰されるべきだと思いますが、なぜ自転車だけが対象になるのだろうとは思いました(自転車関連事故件数は減少→横ばい)。コロナ禍における飲食業と同様、ロビー力の弱い業界が標的にされたとか?私の周りでも、自転車利用の中止を検討している人がいますが、この事態に対して、事業者側からの声は、あまりあがっていないようです。自転車ほど、エネルギー効率がよく、環境負荷が小さい乗り物はないのですけど。

そして、本来であれば、規制を再検討すべきなのが、成長著しいマイクロモビリティ業界の電動キックボードのはず。安全を強調する事業者態度からして、ヘルメットの積極的着用に取り組むくらいの姿勢を示してもよいと思うのですが、そうならないのは、安全より利益(利便性)を重視する本音と捉えられても仕方がありません。

2023年の法改正後、マイクロモビリティの普及が既成事実となり、もう後戻りできない事情もあるのだろうとは思いますが、今後どう社会と共存していくのかが問われることになるでしょう。そして、人はますます動かなくなりそうです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。