住友 大我

2021年6月

今回は、お知らせが2つ。

① 今月6月1日~大阪・谷町に「ウェルネストレーニング教室・谷町校」を開設しました。メンタルウェルネストレーニング協会が2021年度から始めた、フランチャイズシステムの直営教室です。

一般の皆様からの開設希望も受け付けているため、これから各地に増えていくと思いますが、メンタルトレーニングとビジョントレーニングを通いながら学べる教室です。

脳のコンディショニング・メンタル&ビジョン

ウェルネストレーニング教室

 ② アルファテック7のPCソフトウェア(マインドセンサー7)をアップデートしました。

 

 マインドセンサー7(Ver.2.8.25)

https://nouhasokutei.jp/soft.html

大幅な変更ではありませんが、ブレインビルダーとアルファテック4/4s/5ユーザーの皆様にはおなじみの、優勢脳波の構成比率を表す円グラフを加えました。過去の機種に慣れ親しんだ方であれば、受け入れやすさがアップするはずですので、これを機にアルファテック7の導入を検討して頂けると嬉しい限りです。

 また、旧装置(アルファテック/ブレインビルダーユニット)の下取りサービスも実施していますので、併せてご利用ください。

下取りサービス

https://nouhasokutei.jp/trade-in/

光陰矢の如し。時間は有限。先の見えない状況が続いていますが、かといって、いつまで待てば良いかも分かりませんし、誰が守ってくれるわけでもありませんので、自分達が出来ることを、出来る限り進めていこうと思います

2021年5月

メンタルウェルネストレーニング協会で、ビジョントレーニングの指導者講座を担当している、岸浩児先生の初の著書が刊行されました。なお、学校法人様向けの献本も実施しておりますので、ご興味をお持ちの方は、ぜひご一報ください。

● ちゃうねん。そうじゃないねん。目がうまく使えてなかっただけやねん!

https://www.mentaltrainingstore.jp/view/item/000000000298?category_page_id=vision-book

 

● 献本について

https://mentalwellness.jp/2021/03/31/book-info/

トレーニング法などのノウハウは最小限にして、ビジョンの問題が増えてきた最大の要因は、環境の変化によるところが大きいはずですから、その辺りのことをきちんと理解して頂きたいという主旨で書かれています。

私の子供の頃を思い出しても、1人で、あるいは友達と、テレビゲームで遊んだ記憶もたくさんありますが、それと同時に、外で走り回って遊んだ多くの間も楽しい記憶として残っています。

今は、公園などの施設でさえ、子供の遊び場というより、高齢者の憩いの場という方が相応しい状態で、これでは、外で遊ぼうにも大人しくゲームでもするしかないような環境が増えてしまいました。そこに、コロナウイルスの蔓延が拍車をかけて、ますます多くの子供が、家の中の、限られた人間関係の中で、多くの時間を過ごすようになっています。

子供の発達にとっては、内発的な欲求にもとづく身体運動が不可欠ですが、“便利な”道具の開発も含めて、その機会を奪うような環境に溢れているのが現代社会です。短期的に見ても長期的に見ても、子供にとって過酷と言えるこの状況の中で、何をどう考えて子供と接すれば良いのか。そのヒントが詰まった本書を、多くの方に手に取って頂きたいと思います。

2021年4月

新年度を迎えて、皆様いかがお過ごしでしょうか?コロナの影響は変わらず、イベントの自粛も続いていますが、それでも、昨年ほどの警戒感はないように思います。

さて、2020年の日本国内における死者数が、前年と比べて約9千人減少したという報道がありました。日本が世界トップクラスの高齢化社会であることを考えると、これは驚くべき数字で、実際のところ、減少したのは11年振りだそうです。なお、近年の死者数は、年平均2万人程度で増加していました。

今のところは途中経過しか分かりませんが、肺炎(新型コロナなどを除く)やインフルエンザを含めた呼吸器系疾患が最大の減少幅を示していたという事実は、新型コロナの感染対策として日常化した、手洗い、うがい、手指消毒などの励行が効果を発揮した結果かも知れません。なんか、当たり前の行動が、当たり前に重要であることを、あらためて教えられただけという気もしますが。

その一方、自殺者数が11年ぶりに増加しました。特に、小中高生の自殺が過去最多で、原因・動機としては、うつ病などの精神疾患、進路の悩み、学業不振が多いとされています。今やオンライン授業も当たり前になり、その環境にも、だいぶ慣れてきたところだと思いますが、それでも、学業に支障が出た学生や、孤独感などを味わった学生が多数いたということでしょう。また、これは一部の報道に止まっていますが、DV(虐待)の問題も大きいのではないかという指摘があります(女性の自殺者数の増加にも影響を与えた可能性が考えられます)。

行動の自由を奪われてストレスを抱える人が増え、そういう人達が閉鎖空間で時間を共有すれば、極端な行為に対する抑止力が働きにくくなります。AIが普及すると、仕事をせずとも収入を得られるようになり、自分の趣味や家族との時間に、もっと多くの時間を使える…というパラダイスのような未来が語られることもありますが、こういう現実を突き付けられると、そんな単純な話ではないようにも思います(仕事をしなくても良くなったとして、その時間を何に使いますか?それは、数十年続けられることですか?)。

昨年よりは幾分緩和されるのかも知れませんが、コロナの影響は今後も年単位で続く可能性があるため、子供に対するケアはもちろん、大人に対するケアも、今一度、重要な課題として捉える必要がありそうです。

2021年3月

色々なメンタルトレーナーを観察していると、得意とする(もしくは興味がある)手法に、少なくとも2つのタイプがあるように思います。1つは、モチベーションアップを得意とするタイプ(もしくはモチベーションアップに興味があるタイプ)、もう1つは、メンタルトレーニングを得意とするタイプ(もしくはメンタルトレーニングに興味があるタイプ)。

メンタルトレーナーというのは基本的に“自称”なので、メンタルをトレーニングしなくても(出来なくても)メンタルトレーナーと名乗ることは可能であるという前提で、この先の話を進めていきます。

モチベーションアップを得意とするトレーナーは、メンタルのトレーニングをするというよりも、会話を通じて心に栄養を与え、その気にさせて結果を出させる。メンタルを強くするよりも、元気づける(勇気づける)ことに注力するタイプ。

メンタルトレーニングを得意とするトレーナーは、会話よりも、メカニズムの追及に注力しながら、具体的な対策を講じて結果に繋げる。メンタルが強くなった理由を、後から説明できるように指導する(したい)タイプ。

念のために申し上げておくと、どちらかに優劣をつけたいわけではありません。私の場合は、メンタルトレーニングに興味があるため、モチベーションアップが上手なトレーナーを見ていると、多少は嫉妬する時もあります(でも同時に、そうはなれないことも確認できます)。

ここで言いたいのは、クライアントとしてメンタルトレーニングの指導を受ける場合、あるいは、トレーナーを目指してメンタルトレーニングの指導を受ける場合、目の前の指導者が、どちらのタイプなのかを見極めるのが大切ということ。そして、その前提として、自分が、どちらを求めているのかを理解しておくのが大切ということ。そこが曖昧なままだと、なんとなく合わないな~などと感じたまま、メンタルトレーニングの効果を十分に感じられずに終わってしまう場合もあります。

もちろん、どちらにも対応可能な一流のトレーナーもいらっしゃいますが、あくまでも“自称”が基本である以上、そういうプロフェッショナルばかりではありませんし、トレーナーも人間である以上、得意な方に寄せていってしまう傾向はあるというのが私の見解です。

付け加えておくと、思考の整理、感情の整理などの徹底的な整理を通じて、エネルギーの効率的な集中投下に導いたり、本人の気づきを促したり、別の尺度で分類すべきトレーニング(トレーナーのタイプ)も色々とありますが、その辺りについては、また別の機会で。

2021年2月

なかなか落ち着かない日常ですが、私の周りでは、この生活に慣れたという声もチラホラ聞こえてきます。それが良いことなのかどうか分かりませんが、以前のような不安な気持ちで過ごす人は、だいぶ少なくなっているのかも知れません。

コロナウイルスに限らず、油断をすれば、風邪をひいたり、インフルエンザに罹ったり、体調を崩す可能性が高まりますから、対策を怠らないことは大切です。ただ、警戒しすぎたり、心配しすぎたりすること自体が悪い意味でのストレスになり、免疫力の低下をもたらすことも考えられます。また、「正しく恐れる」という、何となく意味ありげな言葉も、要するに、きちんと対策をしようということだと思いますので、無理に恐れる必要はないでしょう。 一部の地域に発令されている緊急事態宣言も、きっと効果はあるのだろうと思いますが、不安な気持ちが、もうそろそろいい加減にして欲しいという気持ちに変われば、免疫力や抵抗力にも、いくらか変化が起こるのか起こらないのか。いずれにしても、思い方が大事というのはメンタルウェルネストレーニングの基本の基であり、こういう時だからこそ、きちんと習慣化させておいて、この状況が明けた後でも、当たり前の日常として取り組めるように準備しておくと良いと思います。

2021年1月

明けましておめでとうございます。

2021年が始まり気分一新…となっているのかどうか。これを書いている今は、まだ2020年末ですが、とにかく、皆様が無事に新年を迎えられていることを祈るばかりです。

2020年は色々な意味で“変わった”年でしたが、考えてみれば、かつての人類はステイホーム中心の、いわゆる村社会で生きていて、機械化が始まる産業革命の頃から、労働集約的な働き方、つまり、都市型の生活に変わっていきました。

産業革命以前の、農業を中心とした社会では、自然と共に生きていくことが自明であり、自然とは人間がコントロールしきれない存在として認識されていました。よって、最善の努力はすれども、最終的な結果に対しては、起こったことを受け入れるという心持ち=メンタリティーが形成されやすくなっていたであろうと推測されます。

一方、産業革命以後の、工業を中心とした社会では、生産活動の中心が機械に移りました。機械とは人工物であり、人間がコントロールしきれる道具です。よって、時間をかければかけるほど生産量を増やせることから、「24時間戦えますか」的な気合と根性を奨励する社会背景が、ここに誕生します。「働き方改革」な現代では、さすがにその発想は受け入れられないでしょうけど。

そう考えると、農業社会における目標とは「努力目標」であり、達成できなくとも「(ある程度は)仕方がない」と受け入れて、次に向かうしかないものでした。一方、工業社会における目標とは「達成目標」であり、達成できて当たり前、できなければ「ダメ」というような評価が下されやすくなります。

新しい年を迎え、今年の目標を決めたという方もいらっしゃるかも知れません。もちろん、それを達成するのも大切なことではありますが、たとえ計画通りにいかなくとも、あるいは、何かのきっかけで目標が180度変わることがあろうとも、それはそれで受け入れて、あるがままに、いかなる時も心穏やかに過ごす。それも、人生の味わい方の一つと捉えてみてはいかがでしょうか。 2021年が皆様にとって幸多き一年でありますように。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2020年12月

オリンピックとパラリンピックは、別々に開催する必要があるのでしょうか?

体重別とは、体格の違いという身体構造の違いから生まれた発想だと思いますが、そのおかげで、同じ競技でありながら、階級ごとに別の競技のような発展をもたらすことに繋がりました。

自転車競技と車いす競技の根本的な違いは、足で動かすのか手で動かすのか、そこにしかないはずで、障がい別、等級別が必要であれば、それぞれ体重別のような分け方をすれば良いだけです。

五輪大会の競技に入れるかどうかは、主な動力源が人体であること、つまり、エンジンなどを使用していないことが分かれ目で、そういう意味でも、オリとパラを分ける意味は本当にあるのか?と疑問を抱えたまま、東京大会延期の2020年が過ぎていきます。

現在のパラリンピックは、リハビリ目的ではなく、競技として位置づけられているため、身体が抱える制約―それは多かれ少なかれ“健常者”も抱える制約―という可能性に挑戦しながら覇を競う場である方が、今の時代に相応しいのではないか?その方が、東京2020の基本コンセプトにも相応しいのではないか?

「すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」

「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」

「そして、未来につなげよう(未来への継承)」

「史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会とする。」と、きれいなお題目を掲げるのであれば、もっと具体的なイノベーションで、それを提示できなかったのかな、とか。

それにしても、2021年に大会は開催されるのでしょうか?

脳力開発とは、持って生まれた脳の働き=脳力を最大限に生かせるよう、トレーニングを通じてサポートする方法です。つまり、脳というハードウェアが持つ制約を可能性に変え、より健康に、より能力を発揮できるように、延いては、より満足に生きられるように自らを導く、これが脳力開発の本質的な役割です。 来る2021年も、脳力開発に役立ちそうなトレーニング及び情報を提供して参ります。コロナの騒動が落ち着き、不安なく集える日々の訪れを待ちわびつつ。

2020年11月

中止が相次いでいたスポーツイベントが、ようやく開催されるようになりました。観客の入場制限も緩和されて、スポーツのある日常が少しずつ戻ってきているようです。

スポーツの役割をメンタル的な観点から考えると、喜び、感謝、希望、安堵、驚き、誇りなどのポジティブ感情から、怒り、イライラ、不安、恐怖、悲哀、落胆などのネガティブ感情まで、色々な感情を経験させてくれることにあります。

ネガティブ感情を含める?と思う方も、いらっしゃるかも知れませんが、色々な感情を経験するほど、クリエイティブな能力を発揮しやすくなると言われていて、どうやら、感情が動く瞬間は、何かが生まれる瞬間でもあるようです。

また、感情が大きく切り替わる瞬間にゾーン/フロー体験が生まれやすい?あるいは、ゾーン/フロー状態が幸福感と関係している?という報告もあるため、そういう意味でも、スポーツで一喜一憂する時間は大切なのだと思います。 基本的には、ネガティブからポジティブに切り替わる瞬間が鍵と言われているので、日常的にメンタルトレーニングを実践して、ポジティブ感情を強化しておくと良いでしょう。また、単に特定の競技を好きというよりも、具体的なチームや選手を好きという方が、感情は大きく動くはずです。スポーツに限った話ではありませんが、心から応援できる対象を見つけるのも有効な手段かも知れません。

2020年10月

成績の良し悪しをメンタルの問題と結び付けて、そこにばかり理由を求めようとする議論は、短絡的に感じられてしまい、あまり好きになれません。とはいえ、メンタルが安定すれば成績が安定するというのも、否定しがたい事実ではありますが。

メンタルが不安定な時などに、具体的な原因を見極めて対処するのが、いわゆる「問題解決型」アプローチです。実際のところ、問題点を把握するだけでも、メンタルは落ち着きやすく、実力も発揮しやすくなります。が、この方法には、やや理性的すぎる印象を受けてしまいます。

その点で、「片づけ」という理性的な行為を、「ときめき(Spark Joy)」という本能的な欲求に翻訳した捉え直しは、やはり上手なアプローチだったのでしょう。似たような、そこそこの“片づけ本”を見ると、理性推しのタイトルばかりですしね。

人間(だけでなく動物)は、本能的に満足する方向へ進む特性を持っています。目標達成のイメージトレーニングというのも、その機能を活用する方法であり、よって、目標達成が上手な人は、その機能を上手に使えている人ということです。 ポジティブ~ネガティブまで、メンタルの振り幅が大きいほど、そこから生まれる爆発力も大きくなるわけですが、その際のメンタルの中心軸を“喜び”に据えるのが、メンタルトレーニングの一つの役割と言えるでしょう。感情の軸が“喜び”になれば、前向きな集中力が高まり、メンタルも安定して、成績も安定しやすくなります。これが「長所進展型」と呼ばれるアプローチです。

2020年9月

「メンタルトレーニングで集中力を鍛えられますか?」と尋ねられることがありますが、答えは当然「鍛えられます」。

メンタルトレーニングに限らず、トレーニングと呼ばれる方法は、基本的にどなたかが発見した理論をもとに作られているため、その解釈に誤解がなければ、理論から導かれる効果は、多かれ少なかれ誰でも出せるはずです。

余談ですが、完全オリジナルみたいに語られるトレーニング法は(それが本当にオリジナルだとしても)、基礎をなす理論そのものがオリジナルなわけではなく、既存理論の組み合わせ方がオリジナルということであり(そのメソッドの開発者自身が基礎研究までしていれば別ですが)、よって、発揮される効果そのものが画期的というよりも、効果の発揮されやすさが変わるくらいの話に落ち着くわけです。

したがって、目的が決まり、その時々の状態を正確に把握できれば、いま必要とされる実践内容は、おのずと決まってしまいます。もし、効果が出るかどうか分からないけど、とにかくやってみようというのであれば、それは気合か根性もしくは実験の話であって、それをトレーニングとは呼びません。

集中力に限らず、リラクセーションやポジティブ思考などについてもトレーニングすることは可能ですが、より確実に効果を出したいのであれば、自分一人の視点だけではなく、信頼のおける客観的な視点が必要で、それがトレーナーのもとで学ぶ利点の一つなのだと思います。一人で悶々と抱えている行き詰まりも、意外とあっさり解消されるかも知れませんよ。