住友 大我

2019年9月

前回のエントリーでは、脳力(脳の働き)には、生まれ付きの部分と身に付けていく部分があり、脳の使い方に属する後者はトレーニング(経験)次第である。そして、そのためのトレーニング法をまとめたものが、メンタルウェルネストレーニング(MWT)であるという話をしました。今回は、そのMWTのエッセンスを少し紹介しようと思います。

MWTで目指していることは、期待感と満足感の反射形成です。

普段、期待感と満足感を感じるのは、どのような時でしょうか。おそらく、楽しみにしていることがあったり、楽しいと思えることがあったりというように、具体的な出来事に対する応答として感じることが多いのではないでしょうか。

もちろん、そのような反応としてでも、きちんと期待感と満足感を感じられるのであれば、それはそれで良いことだと思います。

ただし、具体的な「何か」を拠り所としているばかりだと、その「何か」があるから期待感と満足感を感じられる、視点を変えると、「何か」に主導権を握られていることになり、自分自身の脳力としては少し頼りなくも感じられます。

そこで、主導権を取り戻す意味でも、日常生活の中にトレーニングを取り入れて、期待感と満足感に対する感度を高めることからMWTはスタートします。

このトレーニングを継続していくと、やがて期待感と満足感が先行するようになり、身の回りで起こる多くの出来事がワクワク、イキイキ、理屈を超えてポジティブな日々に変わり始めます。

プラス(ポジティブ)に考える理由、マイナス(ネガティブ)に考える理由、色々あるとしても、それらはきっと後付けであって、実際には、脳がそう反応したことに対する、理性が下した受け入れやすい回答に過ぎないのではないかと個人的には思います。 そして、期待感と満足感が先行する状態で日々を送っている人の脳波を計測すると、「アルファ波」が多いというのが、よくある傾向です。脳の働きと心身のコンディションには強い相関があるため、脳と心身を併せた、総合的なアプローチによるトレーニングが大事ということを表しているのだと思います。

2019年8月

前回のエントリーでは

価値ある人生を送るための必要十分条件

・リラックス

・集中

・イメージ

・満足感(願望+確信+期待感)

という話をしました。

イメージと満足感は、主観的に確認しやすいと思いますが、リラックスと集中は、何となく分かりにくいかも知れません。本当にリラックスできているのか、集中できているのか。

とはいえ、リラックスと集中は、どちらも、価値ある人生を送るための必要条件であると同時に、十分条件の満足感(願望+確信+期待感)に繋がる重要な要素でもあります。そこで、それらの状態を「脳波」で視覚化するのが、メンタルウェルネストレーニング(MWT)です。

これまで、色々な分野で活躍している人の脳波を測定してきた結果、リラックスかつ意識集中して能力を発揮できている場面では、ほぼ例外なく、アルファ波と呼ばれる律動的な共鳴振動波が強く計測されました。ただし、アルファ波自体は、どのような場面の脳波にも必ず含まれているため、重要なのは、その優位性や持続性、つまり、必要な場面でアルファ波状態を制御できるかどうかということです。

脳力(脳の働き)には、生まれ付きの部分と、身に付けていく部分があり、脳の使い方に属する後者は、トレーニング(経験)次第で決まります。それが、「人生には二度の誕生がある」と言える由縁です。

2019年7月

メンタルトレーニングの観点から、価値ある人生を送るための必要条件は

・リラックス

・集中

・イメージ

リラックスした集中状態で、自分が望む状態をイメージすれば良いということですが、しかし、これだけでは、ただのイメージにすぎず、実現への行動には繋がらない可能性があります。では、何が足りないのか?

価値ある人生を送るための十分条件は

・満足感

そして、満足感を引き出すための要素は

・心からの願望を胸に

・実現への確信を抱き

・期待感に対して素直な態度で行動すること

したがって、価値ある人生を送るための必要十分条件は

・リラックス

・集中

・イメージ

・満足感(願望+確信+期待感) リラックス・集中状態でイメージしたことに、満足感が伴えば、そのイメージは具体的な行動に繋がり、結果として願望を実現しやすくなります。このステップを体系的にまとめたプログラムが、メンタルウェルネストレーニング(MWT)です。

2019年6月

「人生には二度の誕生がある」

一度目は、この世に生を受けた時

二度目は、脳の働きに目を向け

それを積極的に活用しようと思った時。

二度目の誕生に足を踏み出すことは

新たな人生を歩み始めることです。

これは、メンタルウェルネストレーニング協会会長・志賀一雅の言葉ですが、ここには、人生は、一度目の誕生で決まるものではなく、自分次第で何度でも生まれ変わることが出来る。だから、一人ひとりの価値ある人生を着実に歩んでいって欲しいという思いが込められています。

では、価値ある人生への必要十分条件とは?

この問いに対する答えは、次回のエントリーで書く予定です。

2019年5月

前回も紹介した「脳力開発研究所」では、かれこれ40年にわたり脳波の研究を続けていますが、最近注目している周波数が7.8Hzです。

脳波について

http://nouhasokutei.jp/

 7.8Hzについて

https://www.mentaltrainingstore.jp/view/item/000000000342?category_page_id=mental-book

そもそも、どういう時に7.8Hzが計測されやすいのか(されにくいのか)。7.8Hzさえ出ていれば良いのか(そんな単純な話ではないのか)など、まだ分からないことも多いのが正直なところ。その一方で、7.8Hzに注目が集まり過ぎるあまり、それ以外の周波数がなおざりにされてしまうこともあるため、そこは、きちんと伝えていく必要があると感じています。

アルファテック7を使用して脳波を読み解けるようになりたい方向けの講座

http://mentalwellness.jp/kouza/neurofeedback/

講座への参加が難しい方などに向けたWEB勉強会

http://mentalwellness.jp/other/internet/neurofeedback-2/

脳波を深く読み解くには、ある程度の実践経験が不可欠とはいえ、きちんと理解できるようになると、思いがけない発見も増えてきます。 脳波を測れば何でも分かるとは申しませんが、新たな視点を得られることは間違いありません。「脳波は全く勉強したことがないので…」と不安がる方もいらっしゃいますが、大丈夫。ちょっと話を聞いてみたい程度でも、もっと積極的に質問したいという方でも、少しでも興味があれば、ぜひご参加ください。

2019年4月

私が代表を務める「脳力開発研究所」では、長年にわたり、脳波を指標としたメンタルトレーニング(メンタルウェルネストレーニング)の研究&開発を進めています。一昨年には、最新のニューロフィードバック装置「アルファテック7」を完成させ、従来よりも詳細な信号データの取得が可能になりました。そのおかげで、メンタルトレーニングに対する考え方も、脳波に対する考え方も、ここ数年で確実に進歩しています。

そこで、近年増加傾向のオンライン学習とあいまって、メンタルトレーニングや脳波に関する情報を、より早く、より多くの皆様と共有するためのWEB勉強会をスタートさせました。

 メンタルウェルネストレーニング(MWT)WEB勉強会

 ニューロフィードバック(脳波)WEB勉強会

 もちろん、ビジョントレーニングのWEB勉強会も開催中です。

 指導者のためのビジョントレーニングフォローミーティング

参加は基本的に申込制で、協会員の方は無料、一般の方は有料(2千円+税)ですが、各トレーニングを2か月に一度くらいの頻度でスケジューリングしていますので、最新情報を得たい方などは積極的にご参加ください。質疑応答の時間もあります。

2019年3月

MWT協会が提供する脳力トレーニングでは、脳力(能力)を高めることと併せて、本来の脳力(能力)をきちんと発揮できるようにすることも重視しています。

ここでの脳力とは、脳の働きのこと。そして、トレーニングとしては、メンタルトレーニング(メンタルウェルネストレーニング)とビジョントレーニングを中心にお伝えしていますが、メンタルにしてもビジョンにしても、煎じ詰めれば脳の働きのことで、当然、お互いに関連し合っています。そのため、メンタルに課題があればビジョンにも影響が出やすく、ビジョンに課題があればメンタルにも影響が出やすくなるというわけです。

もちろん、自分をモニタリングするという意味では、脳波(ニューロフィードバック)も重要でしょう。セルフコントロールの基本はセルフモニタリングにありますし、メンタルウェルネストレーニング自体、元々は脳波の研究から生まれたトレーニングですので。

「身心両面からのアプローチで本来の脳力に磨きをかける」。強い忍耐力を要するようなトレーニングでは、長続きしにくいと感じる方も多いでしょうから、どのトレーニングも楽しみながら取り組めるように工夫しています。興味がある方は、ぜひご参加ください。

2019年1月

2019年から、ニューロフィードバック(脳波)指導者資格認定講座を開催します。ニューロフィードバック(脳波)という表現を使っていますが、実際には、脳波測定機アルファテック7について学ぶ講座です。

 アルファテック7:https://nouhasokutei.jp/

2級:https://mentalwellness.jp/kouza/neurofeedback/neuro2/

1級:https://mentalwellness.jp/kouza/neurofeedback/neuro1/

2017年から販売を開始したアルファテック7ですが、能力開発分野の脳波には、臨床脳波ほどの参考文献があるわけでもなく、そうなると勉強しようにも、どう勉強したら良いか分からない…と感じる方も多かったと思います。 そこで、脳波の基礎から計測事例の分析まで、じっくりと学ぶための機会を設けました。アルファテック7の更なる有効活用を模索する方など、ぜひご参加ください。

2018年12月

本日12月5日(水)21時~、テレビ朝日で放送される「相棒season 17」内で、脳波測定機アルファテック4が使用された模様です(最新機のアルファテック7ではありません)。

第8話「微笑みの研究」

収録に立ち会ったわけでもなく、編集した映像を確認したわけでもないので、本当に撮影に使われたのか?どのように(どのくらい)使われたのか?など分からないことだらけですが、「相棒」自体も人気長寿番組で、面白いはずですので、アルファテックが登場するかどうかも含めて楽しみながらご覧ください。

ちなみに、アルファテックが使用された近年の代表的な事例は、こちらです。

実際のサーキット場(富士スピードウェイ)で撮影しましたが、こんな環境でも、きちんと測ることが出来ました(って本当はスゴイことなんですけど、そこまでは伝わらないですよね)。

AM3:00に現地集合、AM5:00に撮影開始、PM7:00に現地解散とか、スケジュール的には過酷でしたけど、あの日の美しい星空は今でも記憶に残っています。

2018年10月

マインドフルリスニングという話の聞き方があります。

徹底して聞くことに集中する“姿勢”を表す概念ですが、人が1分間に喋れる単語数は225語くらいまで、聞ける単語数は500語くらいまでなのだそう。その差275語。この275語が重要で、話を聞きながら275語分の余裕で色々と考えてしまう結果、他人の話に余計な脚色をして、勝手に情報を歪めてしまうことがある。だから、それを止めることが、純粋に“聞く”という行為であり、それをマインドフルリスニングと呼ぶのだそうです。

何か質問しようと頭を働かせることもなく、とにかく興味を持ちながら話を聞いていると、それが自然と態度にも表れるため、相手も安心して喋るようになる。よって、興味を持って話を聞くことが大事ということでもありますね。

相手の話に興味がない場合は、どうすれば良い?という声も聞こえてきそうですが、最初から心を閉ざしてしまっては興味が湧くはずもありません。また、そもそも興味がないというよりは、自分の興味と繋げられないことが問題なのだと思います。興味とは理屈ではないため、相手の話に合わせようと頑張る必要もなく、自分の立脚点から同心円を広げれば良いだけなのだと思います。虚心坦懐に。