2021年9月

地域によっては、昨年以上に行動を制限された夏が過ぎ去ろうとしています。これから先の未来において、今年の夏は、どう思い出され、どう語られて行くのでしょうか。

私の世代は、カルチャーの中心に音楽が鎮座していた、おそらく最終盤あたりに青春を過ごしたため、ある楽曲を語ることが、その時代を語ることになるというくらい、思い出と音楽がセットで記憶されている人も多いと思います(私が音楽好きだっただけかも知れませんが)。

そのおかげで、何度、夏を繰り返しても、何となく、あの曲を聴かないと夏が始まって終わった気がしない…みたいな定番の楽曲があったりするのですが、さすがに今年は、東京から一歩も出ておらず、あまりにも出来事がなさすぎたため、そんな音楽すらも必要としないまま、夏が終わりを迎えつつあります。

人の行動習慣には、あってもなくても良いような、惰性で繰り返していることも多いため、此度のような行動制限を強制されると、改めて本当に必要なのかどうか、篩(ふるい)に掛けられた習慣も多かったのではないでしょうか(何となく通っていた○○とかが典型ですね)。

その一方、新たに加わった習慣もあるはずで、代表的なものは、手洗い、うがいなど。

思い返すと、コロナ以前の手洗い、うがいは、結構いい加減というか、正直なところ、きちんと励行せずに過ごしていたことも多かったように思います。それでも、ほとんど体調を崩さずにいられたのは、日頃のメンタルトレーニングのおかげとも言えますが、あまり褒められたものではありませんね。

感染状況が落ち着いても、日常の手洗い、うがいは、そのまま続ける人が多いであろうと予想しますが、その時は、おそらく無意識に近い、何となくの流れで実行する感じになるのではないかと。そして、その感じが正に、本物の習慣化を表す状態であり、そうなると、モチベーションに頼らない分、行動が継続されやすくなります

…と

ここから別のテーマに展開しようと思ったのですが、話が少々長くなったため、今回は、ここで終わりにします。いちおう書こうと思っていたのは、ダイエットについてですが、もし他の話題を思い付かなければ、次回?続きを書くかも知れません。

2021年8月

やはりこの話題は外せない!いよいよ始まった東京2020!

…と書き始めてはみたものの、東京在住でありながら、その雰囲気をほぼ感じることなく、第1部の祭りがフィナーレを迎えます(今は8月初旬)。パラリンピックは8/24(火)~。

国立競技場の最寄り駅でも、普段通りの人流があるくらいで、本当に開催しているの?という印象ですが、コロナ禍の無観客開催であることと、東京開催と言いながら、東京で実施していない競技も結構あることを思えば当然かも知れません。

それにしても、選手の皆様は何か色々なものを背負わされているようで…。それを乗り越えてこそ競技者だ、日本代表だという意見もあるとは思いますが、本当にそうでしょうか?ちょっと担わせすぎの(利用しすぎの)気もします。

ご本人が好き好んで受け入れているのならまだしも、背負わせるものを無限増殖させるための体の良い物語が次々と(他人の思惑で勝手に)仕立て上げられているようで…なんてことを書いていたら、タイガーウッズ選手の言葉を思い出しました。「プロのゴルフは、テレビのスウィッチをオンにしたまま、その横で読書をするようなものだ」。だからこそ、メンタル的なサポートの必要性も高まっているというのは間違いなく言えるわけですけど。

勇気とか希望とか、そんなもの自分で作り出せば良いじゃない?思ったりもしますが、それを簡単には出来ないから、あてにもしたくなるというところでしょうか。限界に挑戦する姿が感動を呼ぶとか、明日への活力を生むとか、まぁ理解は出来なくはないですが、それだけで終わってしまうと、いわゆる「偽りの希望症候群」のような状態です。

その後の継続的な行動と望ましい結果に繋げるには

・計画を立て

・仲間を集めて

・実行する

というステップが必要と言われています。もし今、感動のエネルギーが漲っているなら、早めに新しいことを始めてみてはいかがでしょう?そこで新しい出会いがあれば、3日坊主に終わらない、新しい持続的な習慣の形成にも繋がりやすいはずですので。

2021年7月

今回は、優秀なトレーナーになるための条件について、少し考えてみようと思います。

色々な条件が考えられる中で、やはり、「効果的なトレーニング」を提供できること。当たり前と言われそうですが、これは欠かせません。

では、「効果的なトレーニング」を提供するために必要な要素は何かと言うと―もちろん、これも色々と考えられるわけですが―「見立ての能力」は、その一つだと思います。今の状態を見抜いて、課題の勘所を押さえる能力と言えば、分かりやすいでしょうか。

ちなみに、どんな種類の能力を高めるトレーニングであれ、きちんとしたトレーニングに取り組めば(それを見分けられるかどうかの問題は、また別にありますが)、何らかの改善は必ず起こります。でも、効果を発揮しやすいタイミングはあるので、それを正確に見出せる人=「見立ての能力」の高い人が、「効果的なトレーニング」を提供できる、優秀なトレーナーに近い存在であろうということです。

状態も分からずに実践するのは、不案内な道を歩くようなもので、間違っているとは思わないけど、確信を持てるほどでもない…。それでは、自信を持って前に進む(トレーニングに集中する)のは難しいでしょうからね。

 メンタルウェルネストレーニング協会が提供する「見立ての道具」は、エゴグラムと脳波ですが、ビジョントレーニングの講座では、ビジョンチェックや姿勢チェックを始めとした、見極めるための“道具”も紹介しています。

実践経験を通じて、それらの“道具”に習熟すれば、トレーナーとしての総合力も自ずと上がり、優秀なトレーナーに一歩近づけるはずです。

2021年6月

今回は、お知らせが2つ。

① 今月6月1日~大阪・谷町に「ウェルネストレーニング教室・谷町校」を開設しました。メンタルウェルネストレーニング協会が2021年度から始めた、フランチャイズシステムの直営教室です。

一般の皆様からの開設希望も受け付けているため、これから各地に増えていくと思いますが、メンタルトレーニングとビジョントレーニングを通いながら学べる教室です。

脳のコンディショニング・メンタル&ビジョン

ウェルネストレーニング教室

 ② アルファテック7のPCソフトウェア(マインドセンサー7)をアップデートしました。

 

 マインドセンサー7(Ver.2.8.25)

https://nouhasokutei.jp/soft.html

大幅な変更ではありませんが、ブレインビルダーとアルファテック4/4s/5ユーザーの皆様にはおなじみの、優勢脳波の構成比率を表す円グラフを加えました。過去の機種に慣れ親しんだ方であれば、受け入れやすさがアップするはずですので、これを機にアルファテック7の導入を検討して頂けると嬉しい限りです。

 また、旧装置(アルファテック/ブレインビルダーユニット)の下取りサービスも実施していますので、併せてご利用ください。

下取りサービス

https://nouhasokutei.jp/trade-in/

光陰矢の如し。時間は有限。先の見えない状況が続いていますが、かといって、いつまで待てば良いかも分かりませんし、誰が守ってくれるわけでもありませんので、自分達が出来ることを、出来る限り進めていこうと思います

2021年5月

メンタルウェルネストレーニング協会で、ビジョントレーニングの指導者講座を担当している、岸浩児先生の初の著書が刊行されました。なお、学校法人様向けの献本も実施しておりますので、ご興味をお持ちの方は、ぜひご一報ください。

● ちゃうねん。そうじゃないねん。目がうまく使えてなかっただけやねん!

https://www.mentaltrainingstore.jp/view/item/000000000298?category_page_id=vision-book

 

● 献本について

https://mentalwellness.jp/2021/03/31/book-info/

トレーニング法などのノウハウは最小限にして、ビジョンの問題が増えてきた最大の要因は、環境の変化によるところが大きいはずですから、その辺りのことをきちんと理解して頂きたいという主旨で書かれています。

私の子供の頃を思い出しても、1人で、あるいは友達と、テレビゲームで遊んだ記憶もたくさんありますが、それと同時に、外で走り回って遊んだ多くの間も楽しい記憶として残っています。

今は、公園などの施設でさえ、子供の遊び場というより、高齢者の憩いの場という方が相応しい状態で、これでは、外で遊ぼうにも大人しくゲームでもするしかないような環境が増えてしまいました。そこに、コロナウイルスの蔓延が拍車をかけて、ますます多くの子供が、家の中の、限られた人間関係の中で、多くの時間を過ごすようになっています。

子供の発達にとっては、内発的な欲求にもとづく身体運動が不可欠ですが、“便利な”道具の開発も含めて、その機会を奪うような環境に溢れているのが現代社会です。短期的に見ても長期的に見ても、子供にとって過酷と言えるこの状況の中で、何をどう考えて子供と接すれば良いのか。そのヒントが詰まった本書を、多くの方に手に取って頂きたいと思います。

2021年4月

新年度を迎えて、皆様いかがお過ごしでしょうか?コロナの影響は変わらず、イベントの自粛も続いていますが、それでも、昨年ほどの警戒感はないように思います。

さて、2020年の日本国内における死者数が、前年と比べて約9千人減少したという報道がありました。日本が世界トップクラスの高齢化社会であることを考えると、これは驚くべき数字で、実際のところ、減少したのは11年振りだそうです。なお、近年の死者数は、年平均2万人程度で増加していました。

今のところは途中経過しか分かりませんが、肺炎(新型コロナなどを除く)やインフルエンザを含めた呼吸器系疾患が最大の減少幅を示していたという事実は、新型コロナの感染対策として日常化した、手洗い、うがい、手指消毒などの励行が効果を発揮した結果かも知れません。なんか、当たり前の行動が、当たり前に重要であることを、あらためて教えられただけという気もしますが。

その一方、自殺者数が11年ぶりに増加しました。特に、小中高生の自殺が過去最多で、原因・動機としては、うつ病などの精神疾患、進路の悩み、学業不振が多いとされています。今やオンライン授業も当たり前になり、その環境にも、だいぶ慣れてきたところだと思いますが、それでも、学業に支障が出た学生や、孤独感などを味わった学生が多数いたということでしょう。また、これは一部の報道に止まっていますが、DV(虐待)の問題も大きいのではないかという指摘があります(女性の自殺者数の増加にも影響を与えた可能性が考えられます)。

行動の自由を奪われてストレスを抱える人が増え、そういう人達が閉鎖空間で時間を共有すれば、極端な行為に対する抑止力が働きにくくなります。AIが普及すると、仕事をせずとも収入を得られるようになり、自分の趣味や家族との時間に、もっと多くの時間を使える…というパラダイスのような未来が語られることもありますが、こういう現実を突き付けられると、そんな単純な話ではないようにも思います(仕事をしなくても良くなったとして、その時間を何に使いますか?それは、数十年続けられることですか?)。

昨年よりは幾分緩和されるのかも知れませんが、コロナの影響は今後も年単位で続く可能性があるため、子供に対するケアはもちろん、大人に対するケアも、今一度、重要な課題として捉える必要がありそうです。

2021年3月

色々なメンタルトレーナーを観察していると、得意とする(もしくは興味がある)手法に、少なくとも2つのタイプがあるように思います。1つは、モチベーションアップを得意とするタイプ(もしくはモチベーションアップに興味があるタイプ)、もう1つは、メンタルトレーニングを得意とするタイプ(もしくはメンタルトレーニングに興味があるタイプ)。

メンタルトレーナーというのは基本的に“自称”なので、メンタルをトレーニングしなくても(出来なくても)メンタルトレーナーと名乗ることは可能であるという前提で、この先の話を進めていきます。

モチベーションアップを得意とするトレーナーは、メンタルのトレーニングをするというよりも、会話を通じて心に栄養を与え、その気にさせて結果を出させる。メンタルを強くするよりも、元気づける(勇気づける)ことに注力するタイプ。

メンタルトレーニングを得意とするトレーナーは、会話よりも、メカニズムの追及に注力しながら、具体的な対策を講じて結果に繋げる。メンタルが強くなった理由を、後から説明できるように指導する(したい)タイプ。

念のために申し上げておくと、どちらかに優劣をつけたいわけではありません。私の場合は、メンタルトレーニングに興味があるため、モチベーションアップが上手なトレーナーを見ていると、多少は嫉妬する時もあります(でも同時に、そうはなれないことも確認できます)。

ここで言いたいのは、クライアントとしてメンタルトレーニングの指導を受ける場合、あるいは、トレーナーを目指してメンタルトレーニングの指導を受ける場合、目の前の指導者が、どちらのタイプなのかを見極めるのが大切ということ。そして、その前提として、自分が、どちらを求めているのかを理解しておくのが大切ということ。そこが曖昧なままだと、なんとなく合わないな~などと感じたまま、メンタルトレーニングの効果を十分に感じられずに終わってしまう場合もあります。

もちろん、どちらにも対応可能な一流のトレーナーもいらっしゃいますが、あくまでも“自称”が基本である以上、そういうプロフェッショナルばかりではありませんし、トレーナーも人間である以上、得意な方に寄せていってしまう傾向はあるというのが私の見解です。

付け加えておくと、思考の整理、感情の整理などの徹底的な整理を通じて、エネルギーの効率的な集中投下に導いたり、本人の気づきを促したり、別の尺度で分類すべきトレーニング(トレーナーのタイプ)も色々とありますが、その辺りについては、また別の機会で。

2021年2月

なかなか落ち着かない日常ですが、私の周りでは、この生活に慣れたという声もチラホラ聞こえてきます。それが良いことなのかどうか分かりませんが、以前のような不安な気持ちで過ごす人は、だいぶ少なくなっているのかも知れません。

コロナウイルスに限らず、油断をすれば、風邪をひいたり、インフルエンザに罹ったり、体調を崩す可能性が高まりますから、対策を怠らないことは大切です。ただ、警戒しすぎたり、心配しすぎたりすること自体が悪い意味でのストレスになり、免疫力の低下をもたらすことも考えられます。また、「正しく恐れる」という、何となく意味ありげな言葉も、要するに、きちんと対策をしようということだと思いますので、無理に恐れる必要はないでしょう。 一部の地域に発令されている緊急事態宣言も、きっと効果はあるのだろうと思いますが、不安な気持ちが、もうそろそろいい加減にして欲しいという気持ちに変われば、免疫力や抵抗力にも、いくらか変化が起こるのか起こらないのか。いずれにしても、思い方が大事というのはメンタルウェルネストレーニングの基本の基であり、こういう時だからこそ、きちんと習慣化させておいて、この状況が明けた後でも、当たり前の日常として取り組めるように準備しておくと良いと思います。

2021年1月

明けましておめでとうございます。

2021年が始まり気分一新…となっているのかどうか。これを書いている今は、まだ2020年末ですが、とにかく、皆様が無事に新年を迎えられていることを祈るばかりです。

2020年は色々な意味で“変わった”年でしたが、考えてみれば、かつての人類はステイホーム中心の、いわゆる村社会で生きていて、機械化が始まる産業革命の頃から、労働集約的な働き方、つまり、都市型の生活に変わっていきました。

産業革命以前の、農業を中心とした社会では、自然と共に生きていくことが自明であり、自然とは人間がコントロールしきれない存在として認識されていました。よって、最善の努力はすれども、最終的な結果に対しては、起こったことを受け入れるという心持ち=メンタリティーが形成されやすくなっていたであろうと推測されます。

一方、産業革命以後の、工業を中心とした社会では、生産活動の中心が機械に移りました。機械とは人工物であり、人間がコントロールしきれる道具です。よって、時間をかければかけるほど生産量を増やせることから、「24時間戦えますか」的な気合と根性を奨励する社会背景が、ここに誕生します。「働き方改革」な現代では、さすがにその発想は受け入れられないでしょうけど。

そう考えると、農業社会における目標とは「努力目標」であり、達成できなくとも「(ある程度は)仕方がない」と受け入れて、次に向かうしかないものでした。一方、工業社会における目標とは「達成目標」であり、達成できて当たり前、できなければ「ダメ」というような評価が下されやすくなります。

新しい年を迎え、今年の目標を決めたという方もいらっしゃるかも知れません。もちろん、それを達成するのも大切なことではありますが、たとえ計画通りにいかなくとも、あるいは、何かのきっかけで目標が180度変わることがあろうとも、それはそれで受け入れて、あるがままに、いかなる時も心穏やかに過ごす。それも、人生の味わい方の一つと捉えてみてはいかがでしょうか。 2021年が皆様にとって幸多き一年でありますように。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2020年12月

オリンピックとパラリンピックは、別々に開催する必要があるのでしょうか?

体重別とは、体格の違いという身体構造の違いから生まれた発想だと思いますが、そのおかげで、同じ競技でありながら、階級ごとに別の競技のような発展をもたらすことに繋がりました。

自転車競技と車いす競技の根本的な違いは、足で動かすのか手で動かすのか、そこにしかないはずで、障がい別、等級別が必要であれば、それぞれ体重別のような分け方をすれば良いだけです。

五輪大会の競技に入れるかどうかは、主な動力源が人体であること、つまり、エンジンなどを使用していないことが分かれ目で、そういう意味でも、オリとパラを分ける意味は本当にあるのか?と疑問を抱えたまま、東京大会延期の2020年が過ぎていきます。

現在のパラリンピックは、リハビリ目的ではなく、競技として位置づけられているため、身体が抱える制約―それは多かれ少なかれ“健常者”も抱える制約―という可能性に挑戦しながら覇を競う場である方が、今の時代に相応しいのではないか?その方が、東京2020の基本コンセプトにも相応しいのではないか?

「すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」

「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」

「そして、未来につなげよう(未来への継承)」

「史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会とする。」と、きれいなお題目を掲げるのであれば、もっと具体的なイノベーションで、それを提示できなかったのかな、とか。

それにしても、2021年に大会は開催されるのでしょうか?

脳力開発とは、持って生まれた脳の働き=脳力を最大限に生かせるよう、トレーニングを通じてサポートする方法です。つまり、脳というハードウェアが持つ制約を可能性に変え、より健康に、より能力を発揮できるように、延いては、より満足に生きられるように自らを導く、これが脳力開発の本質的な役割です。 来る2021年も、脳力開発に役立ちそうなトレーニング及び情報を提供して参ります。コロナの騒動が落ち着き、不安なく集える日々の訪れを待ちわびつつ。